第166章

  だが、この件に関して公爵が引くはずもない。皇帝が獅鷲を一頭手に入れたところで、せいぜい飾り物にしかならない。せっかくの良いものを無駄にする理由がどこにある。

「まだ持ち主は決まっておりませんが、軍団内の希望者に軍功で引き換えさせる手配は済ませました。いま用意している獣檻は、その個体をこちらへ送り返すためのものです」

 ――皆、軍功で得るものだ。陛下、まさか功ある者の取り分を厚顔にも奪うおつもりですか。

 サン・ロット八世はそう思った。だが口にはできない。公爵に釘を刺されて腹が立つ。とはいえ、ここで押し通せる立場でもない。結局、苛立ちを飲み込み、意識を転送陣へ戻した。

 現在、公爵...

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